小学生のころクラスどころではなく学校で流行っていた奇妙な風習がありました。 その名を『ドンバリア』といいます。
民俗学っぽくいえば、日本人の穢れをよく表したものでしょう。おそらく関東地方でいう『エンガチョ』というものに相当すると思います。 それっぽく説明すると
子供のグループ内で穢れが発生する。その穢れは他人に触れば移るとされている。まさに鬼ごっこ的なものである。
だが、周りの者たちは穢れを移される前に「ドンバリア」と叫びながら。腕を交差させる。そのことにより、バリアが張られ、たとえ触られても穢れが移されることはないと考えているのだ。
という感じでしょう。
二行で説明すれば、
「○○くん、うんこもらした!」
「うわっ、汚な!ドンバリアー」
まぁ、要するにいじめです。
大体、こいつに触れば○○菌が付くといわれるような、いじめの対象に触り、なすりあいをする時なんかに使います。
今思うと子どもって結構残酷です。
他に『ドンバリア』には不思議なルールがあります。それは
・マンホールの「汚水」を踏むと穢れが発生する。
・マンホールの「雨水」(あまみず)を踏めば穢れが消える。
・マンホールの「電気」は「雨水」よりもいい。
このルールが特に謎です。マンホールを使うのが微妙に近代的です。字面的に汚そう、綺麗そう、あと「電気」は珍しい、効きそうというのが原因であると思います。
よく登下校時に、グループの誰かが「汚水」を踏むと自動的に始まります。 見つかったり、見つけるのを手伝ってもらえればいいほうで、そのままいじめられることもあります。
あのころは大体どの辺に「雨水」があり、「汚水」があるかを把握していました。今でも「汚水」は思わず避けてしまいます。
この『ドンバリア』は「汚い」という印象をグループが感じた時点で自動的に発生するので遊びとはまた違った奇妙なものだと今でも思います。
ところで『バリア』はともかく『ドン』ってなにさ?