薄気味わりぃ臼杵

京都から夜間電車ムーンライト九州で直行です。さて、どこに行こうかな。

隣のおっさんの寝相といびきがうるさいですが、我慢します。……あいてっまだぶたれたよぅ。 うっとうしいのでおっさんを押し戻します。あっやべぇ、起きかけている。

さて、予定では熊本に行くつもりでしたが大変なことに気が付きました。 実は、熊本の博物館は月曜日は休館日です。行く意味ねぇ! 急遽変更臼杵に行くことにしました。予定を組み立てなおします。

小倉で降り、途中宇佐で降り宇佐神宮により、大分から臼杵に行き臼杵からまた大分に戻り豊肥本線で阿蘇山を越えて熊本まで出ます。口で説明してもきっと分かりにくいけど。

まずは、日豊本線を南下します。って連絡が悪い。中津という駅で四十分ほど待ち時間があります。仕方がないので速攻で観光をしてきました。 赤壁

まずスポット1 赤壁

個人的には三国志ファンとしてかなり心がときめいていたのですが、よくよく考えてみるとこれって、『せきへき』ではなく『あかかべ』だということにようやく気づく。血のしみが消えないから赤く塗ったってやつさ。


河童の墓

スポット2 河童の墓

妖怪好きとしては気になるところです。 途中に看板がありますがこんなことが書いています。 「お墓等にふれないでください。倒れてけがをしても当寺は一切責任を負いません」 倒れたことがあるのでしょうか?


河童の池

で河童のいた池。って池ないやん。

即席にしては私がんばって巡りましたよええ。

ぶちぶちとまったく嬉しくない乗り継ぎを経た結果、ようやくたどり着きました宇佐。 最近『逆説の日本史』という本にはまり、ちょうど宇佐神宮の話が出てきたところなので行きたかったのです。 バスもあるし何とかなるでしょう。

宇佐神宮上宮

時間があったら宝物館にもよりたいのですが、無理だぁ。途中でこれからはトイレなしの看板があります。さすが御神域。 さらに参拝順路の看板まであり、目安の時間まで表示しています。なんて便利な。それに従い上にそそくさと上がります。 上宮です。にしてもここの神社の人は用を足しに行くたびに宝物殿あたりまで戻っているのでしょうか。えらく遠いですよ。

ありがたくお参りし、神社でおみくじを引きます。その名も『八徳神みくじ』比売神様がいいな。 出たのはなんか埴輪っぽいやつ……って八幡様やん!ここのメインやん!!すみません、埴輪っぽいとか思って。でも小吉なんだ。しかもなぜか八幡様の由緒書が二枚も入っている。不思議だ。

せっかくだから下宮でもう一回引いたよ。今度は黒男様(武内宿祢命)なんとなくブラックジャックを思い出してしまいました。今度は由緒書が一枚。そして大吉。黒男様は大吉なんだ。いいのかそれで。


カラス

とりあえず目的を果たし、ベンチで帰りのバスを待ちました。この様子なら十分予定通りに間に合います。にしてもバスまだかなぁ。

そういえば向こう側のバスが出ているな。ん?あっ。

乗り場間違えた。

やばい!今出たバスが乗る予定のやつやん!!あぁぁぁぁぁ…。次のバスは間に合わない。 走れ私!

そりゃあ必死に走りましたすごくがんばって走りました。で、どうでもいいですけど畑のこれが気になるんですが。 これはカラスの屍骸。

うわぁ。いや、こんなこと考えたり写真とっている余裕ないはずなんですが。つうか、疲れた。真剣に疲れた。もうだめだ。

あぁ、あの中華料理店に止めてある車の人が送ってくれたら大変助かるだろうなぁ。でも、なんだか怖そうな人だなぁ。 なんかこっち見ているし。というか送ってくれるって!?


なんということでしょう。通りがかりの人が送ってくれるそうです。見た目はとても怖そうです。刺青とかはいっています。でも、疲れたからもういいや。乗せてもらいました。

そのお兄さんは今から大分まで仕事で行くそうです。あつかましくも大分まで送ってもらえることになりました。神社仏閣を巡るのが好きだというと、変わっていると珍しがられました。夜はバーで働いていると聞いたときは私売られる!?と一瞬考えてしまいました。すみません。

しかし人生うまい具合にはいきません。途中渋滞に巻き込まれてしまいました。なんだか事故のよう。しかもしばらくは動きそうもない。その上お兄さんには戻るように仕事の連絡が入ったため近くの駅で降ろしてもらいました。 本当にありがたかったです。ありがとう、お兄さん。

とりあえず、予定とはそうずれずに電車に乗れそうです。途中犬の散歩をしているおばさんが駅員さんと話をしていました。

「この電車に乗るのは10年ぶりだわ」

どんだけ利用されてへんねん。

電車をまっている途中、おばあさんと雑談をしました。病院に行っていたそうです。(以下の会話は脳内で大分弁に変換してください)

「あんたみたいな若い子は上着きんほうがいいで」

「そうですか」(日焼け対策に薄い上着を着ていた)

「若いうちはええカッコせんとあかん。私が若い頃は胸が大きくてなぁ、うちの娘も胸が大きいけど、やっぱ女は胸が大きいほうがいいで。あんたは胸がないから乳パットを入れたほうがええわ」

「……は、はぁ」

いったい私はなぜこんなところで見ず知らずの人に乳パットを勧められているのでしょうか。というかなぜ乳の話になっているのかが不思議でたまりません。適当なところで話を終えて電車に逃げ出しました。(乗る電車の方向が違うので)

ようやく電車です。臼杵です。どうでもいいけど、大分駅で買ったイカ飯弁当は美味かったです。

さぁ、臼杵です。まずは臼杵ミワリークラブが本当にガイドをしてくれるのか実験です。電話をかけました。

「あのー臼杵ミワリークラブですか?」

「いまでかけていまして…」

騙されたよ。(というか多分まだ八日市にいるみたい)

まぁいい。地図さえあれば観光はできるさ!さぁいざゆかん!

臼杵の石仏に

だって、国宝だし。臼杵まで来て雪隠ババアを訪ね歩くのもねぇ。というかこの辺の名物石仏だし。駅前も石仏のレプリカ置いてあるし、石仏の写真の入ったお菓子売ってるし。私、美術系だし。このサイト一応『妖怪+美術史』だし。

石仏だな。

鳥

駅で無料で自転車を借りれるので石仏までサイクリング。 途中の福良天満宮が怪しくて気になりましたがそれは帰りだ!

うぉっ、なんか立派な鳥が死んでいる。大分の人は基本的にはいい人だけど、鳥には容赦がないと見た!

畑の中の鳥居がかっこいい!


石仏

ようやく石仏に着きました。無料でガイドさんが案内してくれるそうだけどつい出たばかりなので後を追います。

説明を受けているカップルに乱入し、石仏の説明を聞く。ガイドさんは熱く石仏がいかに重要であるかを語ってくれます。例えば、放置されていた石仏が修理されるのに至った話などです。なんとなくプロジェクトXが頭の中で流れていました。

うん。やっぱ見るなら石仏だな。

ちなみにこの日は大変暑かったため私はかなり干からびていました。ちょうどありがたそうな水があったので飲もうとすると、止められた。腹壊すからって。

そんな干からびている私を見て、ガイドさんが水をくれるそうなので休憩所に一緒に行きました。

出てきた水は温泉水でした。近所で湧いているそうですごくおいしくないけど体にいいと評判です。でものどが渇いているので飲みました。

…これはおいしくないです。ただでさえ変な味のする硬水に炭酸が入っています。でも炭酸水が湧くところって珍しいな。まぁ、ヨーロッパ旅行したときに飲んだ水と同じぐらいおいしくないので飲めなくはないです。あの時は水が安い!と思って買ったら炭酸水でもったいないから意地で飲んだっけ。

飲めるといったらまた注がれた。やせ我慢するんじゃなかった。

そのあと名物カボス氷を強く勧められてせっかくだからいただきました。これはおいしい。

古代蓮

この臼杵の石仏は地元の人がボランティアでガイドをしたりしているそうです。いろいろお話を聞き、資料を見せてもらったりしました。このすぐ近くに古代の蓮が咲いているので見に行くといいと言われました。そういえば上から見えていたな。

次の観光客も来たし、ガイドさんたちに別れを告げて、蓮の元へ。

ほとんど枯れているけどちらほら咲いています。そういえば宇佐神宮も蓮が綺麗だったな。

何枚か写真を撮り気がつくと時間がない。なんかこんなんばっかりだな。引き返す道は早いです。

そういえば行く途中にあった福良天満宮がなんだか楽しそうだからそこだけ寄っていこう。そういえば臼杵ミワリーの本部『俵屋』で売っている妖怪おみくじ買い損ねたなぁ。

そんなことを考えながら福良天満宮に着きました。 俵屋

そういえばここの横に可愛いお店があります。

えーと『俵屋』……臼杵ミワリー本部発見。ガイドをしてもらえなかった恨みとおみくじほしさに入りました。

お店の見たとおりに中は和風な感じですが、妖怪本専用の棚があったり、妖怪の人形があったりと間違いなく臼杵ミワリーの香りが漂っています。中にはおばあさんがいました。この人がさっきの電話に出たのでしょう。

「あの、妖怪おみくじありますか?」

「前はあったんだけどねぇ」

またしても臼杵ミワリークラブに騙されました。フォントをいじって『臼杵ミワリークラブに騙された』という言葉を大きくして太字にして赤くしてやりたいくらいです。これで二度騙されました。うわぁぁん!地図代返せっ!

でもジェントルマンなので心の中だけで叫んでおきます。

せっかくだからなんか買っていこう。おばあさんは駄菓子を勧めてくれますが、昨日からうまい棒ばっかり食べている私としては駄菓子は食べ飽きた。そんな中、一際異彩を放つお菓子がありました。それは、『うまい棒味の飴』これはネタだろ。と思いました。かなり心惹かれましたがうまい棒はもういいので買いませんでした。今は心底後悔しています。そりゃあもう。かっときゃよかった、どんな味か気になるよぉ…。

もっと地元っぽいのが欲しかったので大分の屋台なんかで売っているらしい人形を買いました。一つ250円なのでお手ごろ価格だし。色んな首がありますが当然鬼と狐です。


福良天満宮

俵屋を堪能した後は福良天満宮です。入り口が不思議なオーラを放っています。微妙に『男はつらいよ』のロケ地だったりします。入り口はファンシーでしたが境内は普通です。それではおみくじでも買いますか。

おおっ!招き猫みくじだ!パワーストーンみくじだ!縁起物おみくじは十七種類もあるぞ!よし、呼び出しを押して買おう。

誰も出てきません。おかしい、まだ神社が閉まる時間じゃないのに。

その時ある考えが浮かびました。

神社→隣が俵屋→ミワリー→八日市

もしかしてここの人、今八日市に行っているんじゃ…… カムバーク、臼杵ミワリークラブ!

傷心のまま電車に乗って熊本に行きます。あぁ、阿蘇山寄りたいな。にしても、今晩どこに泊まろう。

妖怪展in熊本につづく


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